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「起きろ…」
ん…
重い。
重くて体が起き上がらない。
眠い目をこすり、必死で今の状況を把握しようとする。
目を開けたると、悠兄の顔が間近にあった。
『っ!?』
「起きたか。まったく…いつまで寝てんだ」
スーツ姿の悠兄はネクタイを直しながらあたしの目の前から顔をどかす。
『あたしどのくらい寝てた?』
「11時間。それにうなされてた」
『…嫌な夢見た』
そう、あれは嫌な夢。
もう二度とあってはならない夢…
「今日始業式だろ。初登校だから遅刻すんなよ」
そう言われ渡されたのはカツラと男子の制服。
あぁ…あたし、男子校に通うんだっけ…
さかのぼること一週間前…
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