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「俺の憧れの人も目赤なんだ。かっこいーよな。しかもカラコンとかじゃなくて元からなんだぜ」
『へぇ…』
まだ憧れ続けてくれてるの?
・・・
仲間を捨てた…このあたしに…
「話し中悪いが、俺は久々野拓真。よろしくな」
『あぁ』
拓真にじーっと見つめられる。
顔の距離が縮まっていく。
鼻と鼻がぶつかりそうな位置で拓真は顔を止めた。
そして俺の顎を持ち、至近距離で見てくる。
『…なんだよ』
愛華だってことバレないよね…
「なんで化粧してんの?」
『…別にいいだろ』
「気になるなぁ」
俺は溜め息をついた。
少し目を変えようと、アイライナーを薄くしただけなのに…
「紅姫…って知ってるか?」
その時、ずっと口を開かなかった零が小さな声で俺に聞いた。
『…知らない』
「…そうか」
すると拓真は「あれ~?」と言ってまた俺に近付いてきた。
「普通紅姫を知らなかったら誰それとか何?っていう反応するんじゃねぇの?なのに今の反応知ってるよねぇ?」
あっ!
発言に注意して言ったと思ってたのに……
拓真は鋭いっていうか勘強い。
こいつにバレたら厄介だ。
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