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語気が強くなっていく菜美とは対称的に、さも当然と言わんばかりに大蔵はあっさりと答える。
「だって、キャプテンとエースは違うから。」
「えっ?」
菜美の上昇した熱を吸収するには十分な一言だった。
「確かに小笠原はいいよ。いい素質を持ってるから、鍛えれば必ずいい選手になる。新チームのエース候補筆頭なのは今のところ間違いない。」
腕を組み何度も首を縦に振り話していた大蔵であったが、ここで一呼吸あけて菜美のほうを見た。
「でもキャプテンじゃない。キャプテンは優れた運動能力をもっている奴がやるんじゃなくて、チームをまとめる力をもっている奴がやるもんだ。」
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