谷保第一中学校

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この一週間の気温の上昇に伴い、大蔵のだらけきった生活にはさらに拍車がかかっていた。 そのため、先方の中学校から一週間もの間連絡が来ないという状況は、大蔵にとって好都合だった。 連絡がこなかったため既に予定を入れてしまい時間を作れない、などの言い訳を使えば、連絡の行き違いを装える。 これならば、藤原の顔を潰すことなく断ることが出来るし、無駄に夏の直射日光を浴びずにすむのだ。 完璧なシナリオだと自負する大蔵。 確かに隙はないようにみえた。 この日かかってきた電話に出る前までは。
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