64人が本棚に入れています
本棚に追加
この一週間の気温の上昇に伴い、大蔵のだらけきった生活にはさらに拍車がかかっていた。
そのため、先方の中学校から一週間もの間連絡が来ないという状況は、大蔵にとって好都合だった。
連絡がこなかったため既に予定を入れてしまい時間を作れない、などの言い訳を使えば、連絡の行き違いを装える。
これならば、藤原の顔を潰すことなく断ることが出来るし、無駄に夏の直射日光を浴びずにすむのだ。
完璧なシナリオだと自負する大蔵。
確かに隙はないようにみえた。
この日かかってきた電話に出る前までは。
最初のコメントを投稿しよう!