始まりの電話

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梅雨もようやくあけはじめた月末。 長い1ヶ月にジメジメした空気も手伝い、世の中の疲れはピークに差し掛かっていた。 そんな6月に、一週間ぶりに晴れ間が覗き、夏の気配が感じられたこの日、大蔵の携帯も一週間ぶりに呼び出し音が鳴った。 ピリリリ、ピリリリ… 嫌でも耳に入ってくる高音が、大蔵の眠りを妨げた。
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