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NUMBER 1
『男でも、美的センスは、負けません』
「いいわね!その575!
」
『でしょ?やっぱオレすげぇ』
漣 雨龍。
ヴァリアー内新人幹部。
そんなオレのいる場所は、談話室。
そして一緒に喋っているのは、現幹部のルッスーリア先輩。
今日は日本の文化の五七調で遊んでいる。
オレは日本出身なので、イタリア人のヴァリアーの皆様に日本の文化をご提供するのが、大好きなのです。
「う゛お゛ぉい、なんだぁそのなりそこないな歌はぁ」
『五七調だぜ。スクアーロ先輩は・・・』
「あ゛?」
『長い髪、雨の日顔に、張り付くな・・・かな!』
「う゛お゛ぉい!!!・・・ま、まぁ確かにそうだけどなぁ」
地味にいびっても、いびられてないと把握するスクアーロ先輩は素晴らしいと思う。
「ボスはどぉだぁ?」
『ぼ・・・ボスか・・・』
先輩いきなり何言ってんですか。
下手なコト言ったらかっ消されるだろ
そうなったらアンタのせいだからなカス鮫先輩
しかも珍しくボスが談話室にいるし!!!
タイミング悪ィんだよボス・・・
何て言ったらいいかな・・・
考えに考え抜いた575を
いざ、ボスにプレゼント!!!
『ボス!』
「・・・あ?」
ボスの顔の傷を指でなぞる。
ホントはそれだけでかっ消されるところなんだけど
あれ、ボス無抵抗じゃん
まぁ、言ってみるか・・・
『ボスの傷、オレの笑顔で、癒えたかな?』
「・・・・・・っ」
あ、ボス。
オレの笑顔にノックアウトだ。
やっぱオレすげぇ!!!
『っつーことで、膝に座らして。ボス。』
「・・・勝手にしろ」
『やりぃ♪』
オレ、結構すげぇ!
スクアーロ先輩よりもボスの機嫌とるの上手いんじゃね?
ボスの膝の上に座って、居心地いいんだよなぁ
固ぇけど、なんだろ
なんか好きだ。
『ねぇボス。』
「・・・なんだ・・・」
スクアーロ先輩にはいつも
声をかけられたら殴るのに
オレん時は殴んないんだよなぁ
これってアレか?贔屓?えこ贔屓?
今日は向かい合わせに座ったから、かっ消されるの覚悟で抱き着いてみよう
オレすげぇから、できるだろ
うん。
できたらカスアーロ先輩みたいに剣帝、みたいな称号つくかな
『ボス~』
「・・・っな!?」
『あはは~。一回やってみたかったんだ。ボスにハグ!』
「・・・はっ。好きにしろ」
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