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マズイのと、煩いのと。
両方そろってしまったがために、ザンザスの腹の底からため息が込み上げてきた。
「ん?ザンザス、スポーツドリンク?」
煩いの…スクアーロとは長年の付き合いで、顔を見れば何を考えているかどうかを見分けられるまで一緒にいたザンザス。
嫌でも嫌いな物を飲んでいるザンザスにスクアーロは首を傾げて問い掛けた。
「嫌いじゃなかったのかぁ?」
「間違えて買った…」
間違える。
それだけで幾分か恥ずかしいザンザスはスクアーロから目線を逸らし、苦笑いをしながら言った。
「飲めんのかぁ?」
「飲めない。飲め」
ずい、とスポーツドリンクを差し出すザンザスにスクアーロは目を丸くしながらもスポーツドリンクを受けとった。
「まぁ、いいけどよぉ」
スクアーロは比較的スポーツドリンクを多く含む。
剣の修行の合間に摂取することが多いので、味には慣れっこ。というより、何故ザンザスがスポーツドリンクが嫌いなのかと疑問に思うくらいスポーツドリンクが好きなのである。
受けとったスポーツドリンクのカンを口につけ、飲みはじめた瞬間。
「間接キスだがな」
「んぐぅっ!?」
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