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好き、
好きだ、
愛してる。
言いたくても言えない
そんな関係になっちゃいけない
許されない
運命。
「いい加減素直になれば?スパーダ困ってるわよ」
「よく考えてミナサイ。オレとできそこないは因縁の関係デスゼ。結ばれちゃならないんだポン」
「関係ないわよそんなこと」
イリアとハスタが喋るこの場所は、ホテルの一室。
今日はスパーダとハスタが同室なのだが、居づらいらしく、ハスタがイリアとアンジュの部屋に行き、相談に乗ってもらっている。
とても珍しいことに、アンジュとイリアはびっくりしたとかなんとか。
「ぶっちゃけ、アンタはスパーダのこと好きなワケ?」
「ん・・・まぁ、そうデスケド」
「じゃあそれでいいじゃない」
「だってそれは輪廻に逆らってるんだりゅん・・・」
俯くハスタに、アンジュは笑う。
「私たちだって充分輪廻に逆らってるわよ。本来私とリカルドさんがルカ君たちと旅をするわけ無いもの」
「まぁ、そうですケド。恋愛とは桁違いなんじゃないデスカ?」
「あーもう!今は今だから前世だの輪廻だの関係ないのよ!どうせ最後は無に帰るんだからいいじゃない一回ぐらい」
イリアはハスタに怒鳴ると、にへらぁっと笑う。
「運命に沿うってことはアタシがルカを殺してルカがスパーダをカチ割るってことよ」
「カチ割るって・・・」
「そんな問題に比べたら恋なんて小さいモンよ。ささ、いってらっしゃい」
追い出されるようにして部屋を出たハスタだが、なかなか心の準備が出来ず、気分転換に宿の外に出かけた。
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