全てを失う

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独りきりの部屋、立ち尽くす。 ふと時計を見ると、8時をまわっていた。 今日は日曜日・・・日曜日8時・・・。 何かあった気がする。 なんだろう? 思い出さないまま、テレビをつける。 テレビに映ったのは、連続ドラマ・・ 百合が毎週かかさず見ていた。 「そうか。今日だった。」 ぼーっと見つめると、不意にビデオデッキが動き出した。 忘れないようにと、百合がセットしていた。 いつも通り録画が開始される。 もう、見ることはないのに・・。 「百合、なにしてんだよ。このドラマ好きだったんだろ?とりのがして、怒ったこともあった癖に・・・。」 後はもう言葉が続かなかった。 泣き声にもならない、嗚咽がこぼれた。 「会いたかった!」 「お前を愛してる!」 テレビからは幸せそうな、主役の二人の声・・・抱き合っている二人・・・。 ただ、幸せそうに・・。
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