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「なんでしたら、幽々子様が手伝ってくれますか?」
妖夢がそう言うと、幽々子は扇子で顔を半分隠しながら、ふふふと笑ってこう返した。
「遠慮するわ~」
予想通りの返事とはいえ、妖夢はため息をついた。
幽々子は自分から鍛錬をしようとしない。
それどころか、運動もあまりしない御方なのだ。
庭師の剣の修行に付き合うような御方ではない。
今、妖夢は本気で、修行の時に一緒に組手をしてくれる者を求めていた。
さらに強くなりたいという、武人としての心があるからかもしれない。
だが、冥界に住む者で、妖夢の相手ができるような者は、師であり、祖父である妖忌くらいだ。
しかし、現在は行方不明。
まさか顕界に住む者を軽々しく連れて来るわけにもいかない。
(勝手にどかどかと上がりこむ者はいるが)
妖夢はもう一回ため息をついた。
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