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強くなりたい。
しかし、自分にはそう悩んでいる暇もあまりないのだ。
「妖夢~。朝ごはんはまだかしら?」
「あ、はい。後片付けが終わったら、すぐに用意します」
手のかかるお嬢様がいるから。
妖夢は自分の切り捨てた藁人形とそれを支えていた木を、せっせと拾い集めた。
そんな中、妖夢はふと思った。
「何で、今日はこんなに砂埃が舞っていたんでしょう?」
その独り言が聞こえたのか、幽々子はクスクスと笑いながら、扇子でパタパタと妖夢の方に扇いだ。
「演出効果」
「あなたの仕業ですか……」
妖夢は今日三度目のため息をついた。
これは、源の命日となる日の朝の会話だった。
~完~
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