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バトル
吹き荒ぶ風が、濃い緑のスカートをたなびかせ、直立する足を掠める。
妖夢は腰に挿した刀に手を添え、今にも抜き出しそうな雰囲気であると同時に、足は直立のまま、体が前に飛び出しそうになるのを抑えている。
早く戦いたい気持ち。
焦る自分を諌める気持ち。
二つの気持ちがぶつかり合い、妖夢の体は震え出した。
これが武者震いというものなのだろう。
妖夢は必死に堪え、瞑想するように目を閉じる。
風が一際強くなった。
妖夢はゆっくりと刀を抜き、きちっとそろえていた足を横にずらし、下段の構えをとる。
そして一呼吸おいて
妖夢は目をカッと見開いた。
「魂魄妖夢! 参ります!」
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