【アネモネ】序章

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   この世界は元素(リリス)と呼ばれる物質で構成されている。 それは万物の基礎でもあり、人間が生きるためには不可欠なものでもある。  また長い年月大地に埋もれた元素が結晶化することがある。宝石のように固まっているため我々はそれを稀水晶(クリアス)と呼んでいる。  稀水晶は回収が簡単なうえ、多くのエネルギーを持つため様々なものに使用されている。それは日常に使う暖房器具や争いに使う武具(ディスカッション)であったり、形は様々だ。  またこの世界には稀術(オルガ)と呼ばれる、稀水晶を媒体とした法術もある。  これを使う者は『オルガニスト』と呼ばれる。  稀術には大きく分けて三つタイプがある。主に攻撃を加えるアタッチメント、守備を主とするディプロマ、そして治癒を主とするヒール。  しかしこれは誰にでも出来るわけではなく、才ある者が相当な勉学を積まなくてはいけないため使える者は決して多くはない。        :        :  いま人々は元素に頼りきった世界で生きている。  それもすべて元素を造りだした、つまり世界を創造した女神アルテミス様がいらっしゃってのことなのである。 出典 フィブリル・カーティス著『世界の始まり』第一章より(一部省略)  
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