カイコウ

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”それ”は走っていた。 肩からはドロリと生暖かい、真紅の液体が流れ出し。額に滲む汗は、明らかに尋常ではない量で。 「…クソ…」 悪態をつく”それ”を追うのは、鎧姿の兵士達。 「…しつこい!」 振り向きざまに、拾っておいた小石を投げつける。 『…ッ!?』 全身鎧の、僅かにある顔面の隙間、丁度眼球あたりに入った。 喰らった兵士はもんどりうってリタイアする。 しかし、後続はまだまだ付いて来るようだ。
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