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夕方の海岸沿いを、一人の少女が歩いている。
彼女の名は新本知子(にいもとともこ)。
極普通の女子高生。
ただ、自分は何処か、他人と違うのではないかと、日々疑問に思っている。
知子は立ち止まり、海を眺める。
「綺麗・・・。」
海は光を反射し、オレンジ色に輝いていた。
「・・・え?」
知子は突然声をあげる。
「なんで…!?」
海の先程までの美しさは何処へやら。
今は深い闇の様に黒い。
太陽はまだ沈んでいない。
にもかかわらず、黒い。
「!!!」
海は渦をまきはじめた。
更に渦は大きくなり、知子を海の底に引き摺り込んだ。
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