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「・・・」
知子はこの世界について、陽子からいろいろと聞いた。
「ちなみに、私は『あちら』と『こちら』って呼んでる。
何か質問は?」
「あちらとこちら…。
どうして私はこちらに来たんですか?」
「それは…すまないが判らない…。」
「そう…ですよね…。」
「そうだな…こちらに来る前に、金色の長い髪の人とかに会わなかった?
もしくは黒。」
「いいえ…。」
「そうか…班渠(ハンキョ)、麒麟の可能性は?」
陽子はいきなり何かに話しかけた。
いえ、と何処からか声が聞こえた。
「そうか…。
麒麟でも王でもないか…。
まぁ…これからという可能性もあるが…。」
陽子はなにやら一人ごちている。
「…あの…?」
「ああ…すまない。
一旦私の家に来るか?
近くはないけどね。」
「え…いいの…?」
「うん、役に立てそうもないからね。」
「じゃあ…お邪魔しようかな…。」
「うん。」
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