第二章 あちらとこちら

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「・・・」 知子はこの世界について、陽子からいろいろと聞いた。 「ちなみに、私は『あちら』と『こちら』って呼んでる。  何か質問は?」 「あちらとこちら…。  どうして私はこちらに来たんですか?」 「それは…すまないが判らない…。」 「そう…ですよね…。」 「そうだな…こちらに来る前に、金色の長い髪の人とかに会わなかった?  もしくは黒。」 「いいえ…。」 「そうか…班渠(ハンキョ)、麒麟の可能性は?」 陽子はいきなり何かに話しかけた。 いえ、と何処からか声が聞こえた。 「そうか…。  麒麟でも王でもないか…。  まぁ…これからという可能性もあるが…。」 陽子はなにやら一人ごちている。 「…あの…?」 「ああ…すまない。  一旦私の家に来るか?  近くはないけどね。」 「え…いいの…?」 「うん、役に立てそうもないからね。」 「じゃあ…お邪魔しようかな…。」 「うん。」
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