第三章 陽子の正体

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 「…陽子…これに乗るの?」 知子の目の前には見たことない様な大きな生物がいる。 「うん。  見た目程怖くないよ、こいつら。」 「班渠には乗せられないからな。  こっちので、俺と2人乗りで我慢してくれ。」 「…大丈夫なの?」 「大丈夫だ。  この駮はよく手懐けてあるからな。」 「駮っていうの?」 「種類はな。  名前は雕貊(チョウハク)だ。」 「…雕貊…。」 「そうだ。」 「…よく見れば可愛いかも…。」 知子は雕貊を撫でながら言う。 「だろう?」 虎嘯は嬉しそうな顔をした。 「さ、早く行こう。  景麒を待たせちゃいけないよ。」 陽子は班渠に乗りながら言った。 「そうだな。  さて、知子。  手を貸してやるから、先に乗れ。」 「…うん。」 知子は虎嘯の手を借りながら、なんとか駮に乗れた。 そして虎嘯は、そんな知子の後ろに座った。 ※ちなみに、すうぐを出したかったんですが、すうという字が変換できなかったので、駮になりました。
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