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「あの…携帯直してほしいんですけど…」
それが第一声
挨拶や自己紹介などを飛ばし、口から出たのがその一言
「………は?」
おそらく、いや、俺以外の者がそこにいても同じような反応をしたと断言できる
もしくは、直ぐ様ドアを閉めるか…まぁいきなり閉めるのは、どうかとも思うが…
とりあえず、把握してみる
その…『異質』が頭につきそうなその娘は、携帯が壊れたから、俺の部屋のチャイムを鳴らしたわけだ
…ん…
俺の中でサイレンが鳴っていたのは間違いないな…
…と思いつつも、とりあえずどんなもんかと、携帯を弄ってみることにした
「あの…寒いんで、中入ってもイイですか?」
…まぁ…自称フェミニストな俺としては女性を玄関に立たせっぱなしってのもねェ
「…あの…浪人生なんですか?」
…正直、少し…ホンの少し…イラッときました。
ハンテン着てたら浪人生か?!
暖かいんだぞ!と胸の中で反論
違うよ~、と訂正しながら室内へ通し、イスを勧めた
発言もあれだが、その姿も…一般的とは言いがたい
まず、今の時期だが…
…白髭のおじいちゃんが赤い服着て、小包片手に煙突→部屋→枕元の靴下にシュート!ってな季節ですよ
おじいちゃんも暖かそうな服着てんのに、この娘ったら…スウェットに素足って…
そりゃ寒いよ…見てるこっちでさえ…
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