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「やっりぃ♪もちろん座るっしょ!
あ、でも、もうちょっと後ろの席に座んねぇ?授業始まると、この場所じゃああんまり喋れねぇじゃん。」
裕司は上機嫌に笑いながら、教室後方の席を親指でクイっとさす。
・・・私はこの席がいいんだけど。
てゆーかホントは裕司とも喋らず、授業に集中したいんだけどな。
裕司が席を移動すればいいのに。
「ゴメンね。私、この席がいいんだ。それにこの授業好きだから、ちゃんと聴きたいの。」
とりあえず私は、顔の前に手を合わせて、少し眉をハの字にさせ、上目遣いで裕司を見た。
私がこの表情をすれば、たいていの男は、大体のことは快く許してくれる。
1時間以上のデートの遅刻も。
高額のブランド品をねだっても。
すると案の定、
「あ、マジ?そっか、何かゴメン。ハルカって見かけによらず、真面目だよな~。まあそうゆうギャップも良いんだけど。
じゃあ俺、ハルカの邪魔にならないように、黙ってここに居るからな!」
裕司はたいして気を悪くした様子もなく、笑ってそう言った。
・・・それにしてもこの男、相変わらず私の隣に居座り続けるつもりなのか。
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