495人が本棚に入れています
本棚に追加
後で何か奢らせとこ。
それともそろそろデートしてあげて、何か買ってもらおうかな。
そんなことをボンヤリと考えていると・・・
裕司が私の方へ身を乗り出し、真剣な表情で尋ねてきた。
「なあ、ハルカって本当は彼氏いるんだろ?」
「何でそんなこと聞くの?」
「だって俺の友達が言ってたんだよ。この前駅前で、ハルカと知らない男が一緒に歩いてたって。
なあ、そいつ誰?」
・・・誰だろ。
いろんな男に心当たりありすぎて、私にもちょっと分からない。
「別にただの友達だよ。
私モテないし、大学に入ってからずっと彼氏なんていないもん。」
「はああ!!?マジで言ってんの!?嘘つくなって!ハルカはすっげー可愛いじゃん!
本当は彼氏切れたことなんかないだろ!?」
そうだね。
私は可愛いけど、嘘つきだよ。
私は相変わらず綺麗な笑顔を浮かべたまま、適当に相槌を打って、
裕司のつまらない話を右の耳から左の耳へ聞き流していた。
・・・今日は寒い。
朝のお天気お姉さんも、最低気温は5度以下だと言っていた。
こんな寒い朝から、メンドクサイ奴の相手をしなきゃいけないなんて・・・ちょっと疲れる。
早く利君のマンションに帰って、
利君の作ったこだわりすぎの美味しいカレーを食べたいな。
最初のコメントを投稿しよう!