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次はフランシスを迎えに行かないと。
いや、ここまできてかなり面倒だ。
「…メール打つか…」
「あの子あんまメール見いひんよ」
「…」
携帯の意味がない、なんて思いつつ通話ボタンを押した。
「…出ない」
「えーほんまに?俺掛けてみるわ!」
すると、ものの2コールくらいでフランシスの声が聞こえた。
独り…楽しすギルぜー…
「ぉん、ほんまにー?…はい、はーい」
「おい、フランシス!何で俺様」
「もう切れてるで…ぷーやん」
「…ちくしょ」
再びチャイムが鳴る。
授業始まりの合図だ。
フランシスは無事に来れるだろうか。
まあ見つかったら見つかっただけどな!
「…お兄さん到着ー」
バタンという音に肩を震わせて俺らはドアの方を見やる。
いつもの済ましたような声色に俺らはほっと肩を撫で下ろした。
「お、フランシスやっほー」
「てめっ何で俺様からの電話出ねえんだよっ!」
「あはは、独りなギルベルト様を拝もうと思ってねー」
「くそ、お前らほんと性格悪ぃぞ」
「え、俺もなん?!」
他愛もない会話を募らせる。
誰から告白されたとか、弟が見回ってたとか、子分がかわいいとか。
いつも通りの会話。
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