日々の色

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今、担当の医師と看護師さんとマネージャーの一緒にカウンセリング室にいる。 朝、目が覚めて朝食を食べ終わった時に看護師さんが 「先生からお話があるそうなので、今からカウンセリング室に移動しましょう。」 と言われ今に至る。 『今日ここに呼んだのは、看護師から聞いていると思いますがお話がありまして。』 『はい。』 『亀梨さんの退院についてなんですが。 今の状態から見て、もう少しリハビリが必要な気がしますが、その他は回復してきています。 それで、一週間後に退院してもらうというのはどうでしょうか??』 「本当ですか??」 『はい。回復も早いですし、リハビリもあと少しだと担当の者に聞いたので、家で出来るリハビリ方法にしようと思ってます。 どうですかね、亀梨さん。』 『普通に嬉しいです。 でも、一つだけ聞いても良いですか??』 『なんですか??』 『仕事は出来るんですか??』 『以前のような仕事は難しいと思ってください。 前にもお話したように、調子の良いときは、以前に近いような動きも出来るかもしれません。でもそれは一時的なもので、長時間は持続しません。』 『やっぱ、そうですか。』 『退院は一週間後でよろしいですか??』 「はい、お願いします。」 そう言うと医師と看護師さんはカウンセリング室を出ていった。 そのあと俺はマネージャーに車イスを押してもらい病室に戻った。 「..亀梨。」 『わかってるから。』 そう言って俺はベッドに移った。 『俺さ少しだけだけど、歩けるようなったんだ。 これってほぼ奇跡に近いんだって。 ここまでなるのに最低でも一年半はかかるんだってさ。』 「...。」 『諦めたりしないから。』 「..亀梨。」 『以前のようにならなくても頑張るから。 あいつらともう一度やりたいからさ。』 俺はそうマネージャーに誓った。マネージャーは俺の言葉を聞き頷いてくれた。 「退院のことは俺からみんなに伝えておくからな。」 そう言ってマネージャーは俺の肩を軽く叩き、病室から出ていった。
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