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あれから一週間。
会見の準備と同時に最終リハビリを続けた。
最初は一歩も足が出なかったのが今ではある程度まで歩いたり、軽く走ったり出来るようになった。
そして、今日。
いよいよ、退院の日。
ゆっくりとした足取りで廊下を歩き、荷物は担当してくれた看護師さんが持ってくれている。
お世話になった方々全員に、挨拶を交わし外に出た。
外に出ると一台、見覚えのある車が正面に止まっていた。
車から出てくる人を見るとやはり見覚えのある顔。
『か-め。』
『...仁。』
俺が名前を呼ぶと、微笑みながら近くまで寄ってきた。
仁は俺の横にいる看護師さんから俺の荷物を受け取った。
『さ、行こ。』
『あぁ。』
仁は荷物をトランクに入れ、ドアを開けてくれた。
『車、大丈夫か??』
『...おう。』
『乗るのゆっくりでいいからな。』
仁の言葉に頷き、そっと車の中に入った。
仁は俺が車に乗ったのを確認してドアを閉めて、自分も運転席に乗った。
車は俺の家へと発進させた。
仁は家に着くまでずっと俺の手を握ってくれていた。
それから30分後。
家に着き中に入ると、中はあの時のままだった。
ただ一つ違ったのは、そこにメンバーがいたこと。
「「かめ、退院おめでとう。」」
『みんな、ありがと。』
テーブルにはたくさんの料理が並んでいた。
-T『かめ、ここ座って。』
俺はその言葉に頷き、ソファーに座った。
T『かめも来たことだし、みんなグラス持って。』
田口はそう言うと俺にグラスを渡してきた。
俺が礼を言うといつもの笑顔をみせてくれた。
T『それでは、かんぱ-い。』
グラスを重ね合わせ、俺の退院パーティーは始まった。
このパーティーは夜まで続いた。
みんなの提案で、せっかく退院してきたんだから、今日は泊まっていくって話になった。
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