600人が本棚に入れています
本棚に追加
退院してから一週間。
前にも増して会見の準備を進めた。
予想される質問を考え、対応を考えた。
それと同時にリハビリも進めた。
家の中では、以前同様に生活をしている。
いつも通りに生活をすることが第一歩だと思うからこそ、そうすることに決めた。
そして、今日。
ついに会見の日がきた。
会場まではマネージャーが送ってくれた。
会場に着き控え室で時を待った。
それから、30分後。
会見場所へとゆっくり足を進めた。
中に入れば、たくさんの記者とフラッシュが溢れていた。
指定された場所で一礼をし座った。
<それでは、これより会見を始めさせていただきます。>
司会の一言を聞き、一息つき俺は話を始めた。
『この度はお忙しい中お集まり、ありがとうございます。
この場をお借りしご報告いたしたいと思います。
皆さまはご存知と存じ上げますが、都内のコンビニ帰りに事故に遭遇しました。
健康的には何もありませんが、事故の影響で脊椎に傷つきが見つかり、以前のように激しく踊ったりは出来なくなりました。
本当にすいません。』
そう言って俺は頭を下げた。
<それでは質問の方に移らせていただきます。>
「今後の活動について、決まっていることは??」
『雑誌の撮影、番組の収録が決まっています。』
「以前のようにならないということですが、どうされるおつもりですか??」
『自分の限界までやっていくつもりです。』
「今回の事故に関係する加害者の方が亀梨サンにお会いしたいと言っていると小耳に挟んだのですが??」
『それは、事実です。』
そう言ったとたん、フラッシュが一気に輝いた。
「どうお考えなのでしょうか??」
『いつになるか分かりませんが、気持ちが固まり次第その方にお会いしたいと思ってます。一応。』
<そろそろお時間となりますので最後の質問をどうぞ。>
「ファンの皆さまや見ている皆さまにメッセージをお願いします。」
『え-...この度は心配とご迷惑をお掛けしまして、誠にすいませんでした。
一日でも多く皆さまの前に出れるよう頑張りますので、よろしくお願いします。』
そう言って俺は頭下げた。
<ありがとうございました。
これで会見を終わらせていただきます。>
司会の言葉を聞き、俺は立ち上がり頭を軽く下げ、その場を出た。
最初のコメントを投稿しよう!