光への道筋

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・一年前・ 深夜1時。 日付をまたぎ、やっと仕事を終えた。 自分の車に乗り、家までの距離を走らせた。 日付をまたいだだけあって、お腹が空いていた。 近くにコンビニを発見した。 駐車場は狭く、第2駐車場があったため、普段は滅多に停めない第2駐車場に車を停めた。 コンビニに入り、深夜なので腹のたしになるものを買い、コンビニを出た。 コンビニを出て、車を停めた場所に向かって歩く俺に目掛けて、車が突っ込んできた。 誰かの"あぶない"という声に振り返った瞬間。 俺の身体は宙に浮かんだ。 それは、とてもゆっくりと地面に落ちていった。 俺は、引かれたと解った。 車は俺をひいたあと、電柱に正面衝突をした。 それを見て、誰かが近づいてきて俺は体を引き寄せられた。 『...め...かめ!!』 『..やま..ぴぃ..。』 『しっかりしろ。 今、救急車呼んだからな。』 その言葉を聞いて、頷いたのを最後に、俺は意識がとんだ。 目が覚めた時は、もう病院にいた。 俺が目を覚ますと、メンバーが駆け寄ってきた。 『大丈夫かッ?!』 『..ッ..。』 すぐに医者が来て、色々と調べられた。 そこで気付いたこと。 手は自由自在に動くのに、足は思うように動かなかった。 医者が言うには、事故による後遺症だと。 それを伝えると、すぐに医者は出ていった。 T『かめ。』 『..ごめん..な。』 U『何謝ってんだよ。』 N『そうだぞ。かめのせいじゃない。』 『..上田..中丸。』 -T『かめをひいたやつは、ちゃんと警察にいるから。』 『...ありがと。』 俺がそう言うと、マネージャーが一声掛けた。 「今日はもう遅いから、明日また来るとするよ。」 そう言って気を使ったマネは、みんなに一言掛けて出ていった。 『..ッ..。』 自然と涙が溢れた。 止めようとしても溢れ出した。 そのうち、人の温もりを感じ顔を上げた。 そこには、俺の頭を撫でてる仁をはじめ、メンバーがいた。 『...仁、みんなも。』 A『我慢しやがって。』 『...じん。』 A『悲しかったら思う存分泣け。何のために俺らがそばにいると思ってるんだよ。』 仁がそう言うと、次は聖が優しく頭を撫でてくれた。 みんなの優しさに、俺はすべてを吐き出すように泣いた。 U『俺らがずっと、かめのそばに居る。』 『..上田。』 U『安心しろ。』 『..ッ..うん。』 人の温かさに涙がまた溢れた。 しばらくすると泣き疲れたのか、俺は自然と眠っていた。 目覚めた時には、朝になっていた。
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