第二章 刀と彼女と俺

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「へぇ、もう起きたの。これならわざわざここに寝かせる必要なかったかもしれないわね」  特に表情を変えることなく、面倒臭そうに喋る巫女巫女少女。うーん、八雲さんに比べると若々しいというか、たぶん若いだろうなぁ。八雲さんよりではなく、俺より。 「で、この人は?」  普通に質問。答えてくれるのは勿論八雲さんである。とても物知りっぽいから便利である。 「この子は博麗(はくれい)霊夢(れいむ)。この博麗神社で巫女をしているのだけれど、客がいないからむしろ妖怪退治屋が職業かしらね。どちらもお金貰えないのが悲しい現実」  む、妖怪退治。まさかのライバル現る? いや、俺はとっくに廃業しているから、彼女一人に任せていいだろう。年下に任せるのもあれだけど、俺はもう主人公と言う年齢でもないしな。それでもこの物語の語り部を務めているのが、まったくもって理解不能である。しかし、この発言の意味が自分でもわからない。不思議だ。 「で、この子に貴方の呪いを解いて貰おうというわけ。感謝しなさい。私に」 「いや、普通に霊夢ちゃんにありがとう」 「別に礼はいいわよ。お金なら受け取るけれど。まあ、そっちのお金貰っても無駄だからやっぱりいいわ。……それとちゃん付けはちょっと勘弁。癇(かん)に障(さわ)るわ」
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