序章

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 さて、結論から言って当然俺は勝利した。そうでなければ今まで生き永らえているのは俺じゃなく彼女のほう(すでに死んでいるけれど)だ。  別に彼女が弱かったなどということはない。この町の妖怪たちのすべてを統べる存在だったのだから、当然それ相応の力を持っていたし、彼女は頭もキレる。  しかしそれでも、俺は勝ったのだ。  まあ、最後に呪いが何だとかって口走っていたけれど、負け犬の遠吠えのはずで。ほら、呪いって術者がいなくなれば効力を失うってのが常識的なものだと思うし。なんとなくだけれど。  で、それからは妖怪たちも大人しくなり、無闇に人を襲うことはなくなった。  ということで回想終了。寧ろ走馬灯?  えー、今俺は目の前に迫っている軽トラのおかげで酔いも醒めて来て、あれ? これ避けられるんじゃね? とか思っているのだけれど、正直言ってもうそんな距離じゃないし、ああああああああああああああああああああああああ俺死ぬうぅぅぅうううううう!
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