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「それにしても起きるの早いわね。寝ていると思っていたから、起こすのも兼ねてこうやって真上に開いてみたのだけれど」
「寝てるときに降ってこられたら危ないですけどね!」
言い返せた。良かった。というか寝ている人の上に乗られるのはちょっと勘弁。着ているものとか持っている物の所為もあって若干重いし。まあ、スタイルの良い人なので助かったかな。
「で、貴女はどこの誰?」
「私は幻想郷(げんそうきょう)の境にある屋敷に住んでいる八雲(やくも)紫(ゆかり)よ。八つの雲に紫で八雲紫。おーけー?」
何かとても可愛らしい仕草をして言ってくる八雲さん。
「おーけー」
とりあえずそれだけ返す。たぶん、次は彼女から質問かなぁ。とか思っていると、八雲さんは俺の上から退いて、横から俺を見下ろす形で座った。
「さて、本当なら人に名前を聞く前に自分がまず名乗れ、と言うところを名乗ってあげたのだから名乗りなさい」
「ん、ああ、そうか。俺は宇條桐嗣。字は」
「知っているから良いわ。それと私は人じゃないわよ?」
いや、いきなり何もないところから現れた時点で人だと思ってないですよ、と。
「というわけで次貴方から聞きたいことあったらどうぞ」
ほう、なんかこの人優しいかもしれない。人じゃないけど。
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