第一章 あ、死んでいませんよ

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 と言って差し出されたのは一振りの刀。それも見覚えのあるどころじゃないもの。胃液がこみ上げてきそうなほどに気持ち悪い。正直、もう二度と見たくもなかったのですがね! 「……それ、どこから?」 「貴方の家の物置から。こんな物を物置に入れておくなんて、酷いことをするのね」  ねー、とか刀に話しかけている。何やってんのこの人。あ、人じゃなかった。もういい加減にしたほうがいいかなこれ。これからはこの妖怪とかにしたほうがいい予感。 「それじゃあ今から人を呼んでくるから、貴方はその刀に謝っておいたほうがいいわよ。その刀のおかげで貴方は今生きているのだから」  と言って姿を消した。落ちていったようだから、またあれを開いたのだろう。俺の適応力高いね。いえーい。  しかしまだ頭が痛い。 「けど身体はもう動きそうだな。よし」  起き上がる。頭痛は気にしない。していたらやってられん。そんなわけで刀を見る。うーん、禍々しさとかそういうのは感じられないけれど。言葉が分かったりするのだろうか。実はほったらかしている間に自我が宿ってどうたらっていう感じ? そうならちょっと面白い。てなわけで謝ってみようか。
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