動向

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「おそらく、奴らは商人さんの乗り換えを知ったうえで進攻日程を調整したはず。 あえて泳がせておれたちごと商人さんを殺ろうってハラか…そして、偽の進攻日程に騙されたおれたちを袋叩きにするつもりでいるだろうね」 峯はようやく自分の見解を述べた。 「…ってことはだよ」 亀山の言葉に皆の注目が集まる。 「俺たちが乗せられたフリをして奴らの計算を乱せば、この勝負は取れるな。 たとえば、進攻開始日以前に暗殺部隊を送り込むとか」 「さすが亀山、賢いな」 手を打って峯は喜ぶ。 「そうだ、那珂川進攻の気配を見せておいて暗殺部隊を筑紫郡に送り込もうってのが案だよ。 もちろん、以前の教訓を生かして暗殺部隊に関しては考えがある」 「どんな?」 小倉の言葉に反応して黒田は答えを求めた。 「それはね…」 小倉の答えに皆が感心した。 「小倉が代弁してくれたが、これがおれたちの対策だ。 良いかな?」 小倉の答えを受けて峯は皆に尋ねる。 「異議は無い」 亀山の返事に皆がうなずいた。 「決まりだな。 では、それぞれに仕事を割り振るぞ…」 峯は皆に指示を出し始めた。 峯たちの会議から何日か後… 「うまくいった、奴らは那珂川進攻の準備をしているようだ。 取引先の指定日には須崎埠頭にも行くみたいだし」 スパイの報告を受けた東尾は松野に報告している。 「いい感じだな。 ところでこっちは間に合いそうか?」 尋ねる松野。 「意外と順調に進んだから、2日早く動かせそうだ。 既に春日には江嶋と浦城を、大野城には桑田と相沢を待機させている。 暗殺部隊を率いる村岡と島津は那珂川南部に待機させているから、いつでも出発させられるぞ」 「ここの守備はどうする?」 松野は続けて尋ねた。 「主要な幹部は部隊長に配置してしまったから、他の幹部をここに配置しようと思ってる。 桑田から関を借りて、こっちからは中原を出そうと思ってる」 「それでいいぞ、あとは大丈夫だな」 松野は東尾の答えに満足したようだ。 「完了予定日に動かすか? そしたらあっちも動くだろうから、その頃に暗殺部隊が現地に着くよう送り込めばちょうどいいだろうし」 「わかった、多少早いが明後日の15時に『見せかけ』は動かせ。 村岡たちは13時に出発させろ、南部から奴らの拠点までは時間を食うからな」 提案を採用された東尾は早速、各部隊長に連絡を始めた。
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