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「で、ではっ、一年間よろしくお願いしますっ!」
そんな中、逃げるように明久と雄二の隣の空いてる卓袱台に着こうとする瑞希
俺はその後ろの卓袱台に座る
前を見ると明久が瑞希に声をかけようとしているのが見えたので邪魔してみた
「あのさ、姫――」
「「姫路/瑞希」」
明久の声にかぶせてみたら雄二も同じ事をしてきた
「は、はいっ。何ですか?神裂君とえーっと………」
慌てて雄二のほうに身体を向け、スカートの裾を正す瑞希
椅子ではなくて座布団の上に座っているので裾が乱れやすいみたいだ
「坂本だ。坂本雄二。よろしく頼む」
「あ、姫路です。よろしくお願いします」
深々と頭を下げる瑞希
挨拶も相変わらず丁寧だ
「ところで、姫路の体調は未だに悪いのか?」
「俺もそれを聞こうと思ってたんだ」
「あ、それは僕も気になる」
すかさず明久が会話に加わってきた
「よ、吉井君!?」
なぜか明久を見て驚く瑞希
俺はすぐさま雄二とアイコンタクトをとり明久のフォローをする……もちろん悪い方に
「「姫路/瑞希。明久がブサイクですまん」」
「そ、そんな!目もパッチリしてるし、顔のラインも細くて綺麗だし、全然ブサイクなんかじゃないですよ!その、むしろ………」
「そう言われると、確かに見てくれは悪くない顔をしているかもしれないな。俺の知人にも明久に興味を持っている奴が居たような気もするし」
「あ、それなら俺も知ってるぞ」
「え?それは誰―――」
「そ、それって誰ですかっ!?」
明久の台詞が瑞希に遮られる
瑞希……なんか必死だな
「久保………なんだっけ雄二?」
「確か、久保―――」
明久の顔が輝きだす
残念だな、次の台詞でお前は泣く!
「―――利光だったかな」
久保 利光(クボ トシミツ)→♂【性別/オス】
「…………………」
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