〓第二問〓

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「「もちろんだ」」 「Aクラスの設備は見た?」 「ああ。凄かったよ、お前は見たか晃?」 「見た見た。俺はあんな教室は見たことねぇ~ぞ」 一方はチョークすらないひび割れた黒板で、もう一方は値段もわからないほど立派なプラズマディスプレイ これに不満のない人間は居ないよな 「そこで僕からの提案。折角二年生になったんだし、『試召戦争(シショウセンソウ)』をやってみない?」 「戦争、だと?」 「面白そうだな、相手は?」 「Aクラス」 「………何が目的だ?」 急に雄二の目が細くなる 警戒されてるぞ明久 「いや、だってあまりに酷い設備だから」 「嘘だな。なぁ~雄二?」 「ああ。全く勉強に興味のないお前が、今更勉強用の設備なんかの為に戦争を起こすなんて、そんなのはありえないだろうが」 「ぅぐっ」 相変わらず分かりやすい奴だ 「そ、そんなことないよ。興味がなければこんな学校に来るわけが―――」 追い打ちでも掛けるか 「確か、お前がこの学校を選んだのは『試験校だからこその学費の安さ』が理由じゃなかったか?」 俺がそう言うと、明久の顔がしまった、というような顔になった 本当に分かりやすいな 「あー、えーっと、それは、その……」 明久が言い訳を考え出したので雄二と一緒に更に追い打ちを掛ける 「「姫路/瑞希の為、か?」」 ビクッ! 明久の背筋が伸びる どうやら図星らしい 「ど、どうしてそれを!?」 「本当にお前は単純だな」 「あははっ。こんな分かりやすいカマにすぐ引っ掛かるのはお前ぐらいだな」 明久がハメられた!、と言いたげな顔になる 「べ、別にそんな理由じゃ――」 「はいはい。今更言い訳は必要ないからな」 「そうだぜ。もう言い訳の意味がないからな」
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