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「坂本君はFクラスのクラス代表でしたよね?」
福原先生に問われ、鷹揚にうなずく雄二
別にクラス代表といっても、学年で最低の成績を修めた生徒たちが集められるFクラスの話
何の自慢にもならないどころか恥になりかねない
それにも関わらず、雄二は自信に満ちた表情で教壇に上がる
雄二の奴、試召戦争の話をするつもりだな
「Fクラス代表の坂本雄二だ。俺のことは代表でも坂本でも、好きなように呼んでくれ」
クラスメイトから大して注目されるわけでもない
Fクラスという馬鹿の集まりの中で比較的成績が良かったというだけの生徒
他から見れば五十歩百歩といった存在
「さて、皆に一つ聞きたい」
そんな生徒が、ゆっくりと、全員の目を見るように告げる
さすが雄二
間の取り方が上手い
全員の視線はすぐに雄二に向けられるようになった
皆の様子を確認した後、雄二の視線は教室内の各所に移りだす
かび臭い教室
古く汚れた座布団
薄汚れた卓袱台
つられて俺らも雄二の視線を追い、それらの設備を順番に眺めていった
「Aクラスは冷暖房完備の上、座席はリクライニングシートらしいが―――」
一呼吸おいて、静かに告げる
「――不満はないか?」
『大ありじゃぁっ!!』
二年F組生徒の魂の叫び
もちろん俺も叫んだよ、ノリで
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