夏の松竹座

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村上くんはそれを横目に、 事務所の関係者さんと雑談。 でも、カバンの中には ちゃんとドラマの台本が入っていて 練習の合間を見つけては、 それを読み返していた。 僕と亮ちゃんも 同じように、 合間を見つけては ホンを取り出して セリフ合わせを繰り返していた。 また明日は早朝から バスで、松山。 寝るのは全部 バスの中にして、 セリフは完ぺきにしとかないと。 「また寝てへんの?うち」 亮ちゃんは、目がパッチリ。 あれ…昨日も夜行で、 一緒に帰ってきたよね? 「俺めっちゃ昨日、ねたで!」 「そうなん。すごいなあ」 亮ちゃんは褒めると、 よく嬉しそうに笑う。 んで、照れ隠しなんか ピョンピョン飛んで 「まだ練習はじまらんのかな?」 って話を変える。
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