第3章

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「おはようございます」 樹の声で目が覚めた。 いつも通りの樹に見えた。 樹、そうやって辛いことに耐えてきたんだ。 僕にできることなら何でもしようって思った。 「おはよう」 僕もそう言って、僕たちはキスをした。 「さ、朝ごはんを食べに行きましょう」 「うん」 二人で一階に下りると、リビングには美味しそうな匂いが立ち込めていた。 朔夜さんが作ってくれたらしい。 朝食は純和風で、ご飯に味噌汁、焼魚というメニュー。 「単様たちはきっとまだ起きていらっしゃらないと思うので、お先にどうぞ~」 エプロンを掛けた朔夜さんが、キッチンに立っていた。 僕たちはお言葉に甘えて、朝食を美味しくいただいた。 学校へ行く用意をすると、今度は朔夜さん、僕たちを送っていってくれた。 朔夜さん、働き者だな。 それにしても本当に、幸せだ。 気がかりなのは単さんと龍司さんのことだけだった。
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