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僕の部屋に移ると、樹は僕にキスをした。
キスは慣れてきたつもりだけど、ドキドキが止まらない。
甘いくちづけに、頭の芯がとろけそうになる。
「巴…」
僕を呼ぶ樹の声が、少し掠れていて、凄くセクシーだ。
樹はゆっくり、愛しむように、僕の身体のあちこちにキスをしていく。
頭が働かない…。
「樹っ…」
思わず嘆願した。
「巴、本当に大丈夫ですか?」
樹は僕を愛撫する手を止めて、僕の顔を見つめながら言った。
「ここまで来て聞くなよ」
そうは言ったものの、いざとなると夏の事件の時の感覚が蘇って、身体が硬直する。
「巴、目を開けて、僕を見て下さい」
ぎゅっと瞑っていた目を開けると、樹の整った顔がすぐそこにあった。
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