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「ここにいるのは誰ですか?」
「…樹」
樹は僕の髪を撫でて、微笑む。
その顔が綺麗で、見惚れてしまった。
「そう、僕です。でもね、怖い気持ちも分かるんですよ。…どうしたものでしょう」
…そうだった。
樹も経験者なんだ。
樹、叔父さんに無理矢理犯されて、手首を切ったんだって言ってた…。
だから、僕に気を使ってくれているのだろう。
でも…。
「樹、僕は大丈夫だよ。だから…」
樹に身体だって愛されたいっていう気持ちは、初めての時と変わらない。
「巴…また無理をさせて…すみません」
樹が申し訳なさそうに言ったので、僕は首を横に振って
「いいから早くっ…」
催促をした。
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