第3章

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「単さん、巴です。龍司さんはいますか? アパートが火事になりました」 一気に言ってしまったけど、単さんは冷静で、 「巴、怪我はないか? アパートの前にいるんだろう? 龍司を行かせるから、ちょっと待ってろ」 そう言った。 「ありがとうございます」 お礼を言って電話を切って待っていると、そのうち龍司さんが走って来た。 「巴、大丈夫か!?」 「うん。僕が来た時にはもう、火事になってた…」 消防車が消火活動をしていたけど、炎が上がっていて、消える気配がない。 「とりあえず、クレセントに行こう。ここにいても仕方ないからな」 「そうだね」 龍司さんと二人でクレセントに行くと、入口には「closed」の札がかかっていた。 単さんがそうしたのだろう。 店内には、単さんと一緒に樹がいた。
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