第3章

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「樹はどうして、単さんのことを『父さん』って言わないの?」 「母さん」は前に言ってるのを聞いたけど…。 「単が嫌がるんですよ。多分、照れ臭いんじゃないかと」 「そうだったんだね」 「はい。単は結構シャイですからね」 なるほど。 何か、羨ましいな。 僕には父親いないから…。 「巴?」 「ん?」 樹は何も言わずに僕をぎゅっと抱き締めた。 「樹?」 「何か、寂しそうな顔をしてましたから」 樹、気付いたんだ。 僕の思ってること。 「ありがとう。大丈夫」 樹を抱き返した。
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