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「おはようございます」
樹の声で目が覚めた。
いつも通りの樹に見えた。
樹、そうやって辛いことに耐えてきたんだ。
僕にできることなら何でもしようって思った。
「おはよう」
僕もそう言って、僕たちはキスをした。
「さ、朝ごはんを食べに行きましょう」
「うん」
二人で一階に下りると、リビングには美味しそうな匂いが立ち込めていた。
朔夜さんが作ってくれたらしい。
朝食は純和風で、ご飯に味噌汁、焼魚というメニュー。
「単様たちはきっとまだ起きていらっしゃらないと思うので、お先にどうぞ~」
エプロンを掛けた朔夜さんが、キッチンに立っていた。
僕たちはお言葉に甘えて、朝食を美味しくいただいた。
学校へ行く用意をすると、今度は朔夜さん、僕たちを送っていってくれた。
朔夜さん、働き者だな。
それにしても本当に、幸せだ。
気がかりなのは単さんと龍司さんのことだけだった。
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