第4章

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夜、バイトに行くと、単さんと龍司さんの様子はちょっとだけ改善していた。 それは、一緒に働いていた朔夜さんのおかげもあるかもしれない。 朔夜さんもウェイター姿で、単さんと一緒にオーダー取ったり、片付けをしたりしていた。 単さん並みに手際よく仕事をこなしている。 朔夜さんは明るく笑顔で仕事していて、朔夜さんがいるだけで、店の中が明るくなっているような気がした。 お客さんの中にも、既に朔夜さんのファンになった人がいるようだ。 それだけじゃなくて、朔夜さんが間に入ることで、単さんも龍司さんも笑顔で仕事をしていたんだ。 二人ともぼんやりすることもなかった。 でも、お客さんの中に、あの女性の姿を見つけたら、やっぱり単さんの笑顔は曇った。 前にも来ていた、龍司さんのことが多分好きなあの人…。 樹もそれには気付いているようだった。
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