第4章

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「龍司さん、それ誤解。単さん、ヤキモチ焼いてるみたい」 「へ? そりゃあ無いだろ」 龍司さんは手をヒラヒラ振ってみせた。 「本当だって。樹が言うくらいだし。最近、結構頻繁にクレセントに来てる女の人がいるだろ? その人と龍司さん、親しげに話してたから…」 「あの人はただのお客さんだって。…まぁ、樹が言ってたなら本当か…。でもなあ」 龍司さんはまだ首を傾げている。 「本当だって」 「でもな、俺、相当な回数フラれてんだぞ?」 そうだったんだ…。 でも、それは…。 ちょっと言葉に詰まっていたら、携帯に樹からメールが来た。 「こちらは無事、解決です。後は龍司さんがもう一押ししてくれれば完璧です」 流石、樹。 あの短時間で、あの単さんを説き伏せたんだ。
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