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今度は僕の番。
「本人に確認してみればいいのに」
「…簡単に言うけどな」
龍司さんは乗り気じゃない。
「でもさ、何回もフラれた割に、単さんと一緒に仕事してるんじゃん。嫌いだったら、フッた相手と仕事はできないと思う」
「そうは言ってもなぁ」
「とにかく、単さんと話した方がいいと思う」
お互いが本音を言えば済むはずなんだ。
「もう一度、ちゃんと気持ちを伝えてみたらどうかな」
それしか言える言葉がなかった。
ああ、あっさり単さんを陥落した樹が羨ましい。
「わかったよ。巴がそこまで言うなら、ちょっと行ってくる」
次の策を考えていたら、龍司さんはそう言ってリビングを出ていった。
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