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しばらくしたら、リビングに樹が入ってきた。
「巴、よく頑張りましたね」
僕の隣に座って、頭を撫でてくれる。
「いや、何にもできてない」
樹に寄りかかって言った。
「そんなことないですよ。龍司さん、単と話す気になったでしょう」
樹はあくまで優しい。
「樹の方が凄いって。単さんを説得したんだから」
それを聞いて、樹は頭を横にふるふる振った。
「そんな事はないですよ」
二人でそんなやり取りをしていたら、単さんが廊下を通っていくのが見えた。
普段と全く変わりない様子で、何となく嫌な予感がして、僕と樹は顔を見合わせた。
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