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後々大きくなった俺たちに、母から父の手紙をもらった。
それと俺たちが生まれて間もない頃だろう、家族写真が何枚か入っていた。
ありがちな展開だけどさ。
写真の中で笑う父は、坊主頭でちょっとたれ目、左目の下に傷痕があった。
薄くて誤字だらけの手紙は読むのがやっとで、手紙の最後にはこう書かれてた。
「男の手は愛する人を守るためにあるんだ。おばけになっても、俺は家族を守る。」
俺に父はいない。
でも俺にとって父は偉大で、大切なことを教えてくれた。
妻と、もうすぐ生まれてくる子供をこの手で守っていくよ、あなたを見習って。
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