相部屋のじいちゃん

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中学二年の二学期に、急性盲腸炎で緊急入院しました。定期テストの前だったので よく覚えています。 明け方に腹痛を覚えてそのまま救急車で運ばれ、即日入院で手術に備えました。 手術は翌日に決まり、痛み止めを服用してその日は病室で横になっていました。 病室は6人用の大病室でしたが、入院患者は僕と、その隣の人しかいませんでした。 夕方、仕事を終えた母が着替えや身の回りのものを持って見舞いにやって来ました。 しばらく話をしていると、60歳くらいのお婆さんが病室に入ってきました。 隣の人のお見舞いのようでした。母が「これから一週間ほどですがお世話になります」 と挨拶すると、向こうも「若いですからすぐに元気になりますよ。こちらこそよろしく」 と微笑んでくれ、とても感じの良い人でした。
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