夏本番

11/24
前へ
/1592ページ
次へ
エースナンバー「1」を受け取った千代崎が戻ると、武田監督は続けて次の番号を呼ぶ 「じゃあ次… 稲垣、大江! 守備の要と四番は頼むぞ」 「任せてくたさい」 「バンバン打ちますで」 稲垣と大江がそう言いながら「2」と「3」の背番号を受け取る 「よし、次だ。西野、浅井! そして上原! 二・遊間、サードはお前たちに任せたぞ」 『はい!』 3人は返事をして「4」「5」「6」の背番号をそれぞれ受け取る 3人が戻ってから、武田監督は改めて手元の紙に目を戻す 「正直、レフトを決めるのは苦労したよ…」  武田監督がそう呟くと外野手達は息をのむ 「炎球! この番号はお前にに任せるぞ」 「は、はい!」 炎球は驚いたように返事をして「7」の背番号を受け取る 「頑張れよ炎球!」 「頑張れ…」 薪田と小島がそう声をかけると、炎球は申し訳なさそうに戻ってくるのだった 「それじゃあ次… 炎迅! 守備、攻撃の要として頼むぞ」 「はい! 精一杯頑張ります」 炎迅はそう言って「8」の背番号を受け取って戻っていく 「次は… 拓郎! その強肩を生かしてくれることを期待しているぞ」 「はい!」 拓郎に背番号「9」が渡り、これでレギュラーメンバーが決まる そしてここからベンチ入りの9人が呼ばれる 「じゃあここからはベンチ入りメンバーだ。まず、多田に山中、そして薪田。出場機会も多くなると思う。頑張ってくれ」 そう言って多田、山中、薪田にそれぞれ10、11、12の背番号が渡される そして、13から16番の4つの番号は、西郷、松倉、雨宮、小島の二年生4人に渡される これで背番号を受け取れる選手枠は残り2つとなる 残った選手達が緊張した面もちで武田監督の言葉を待つ 「え~… 残り2つだが… 江口と長山! お前たち2人だ!」 「…………え?」 「じ、自分ですか!?」 江口と長山が驚いていると、武田監督が2人に背番号を渡す 「適当に決めてる訳じゃない。こう言ったらプレッシャーになるかもしれないが、ベンチに入れなかった先輩もいる… 同級生もお前ら以外は入っていない… その意味をよく考えてプレーしてくれ。期待しているぞ」 『…はい!』 その言葉に2人はしっかり返事をして背番号を受け取るのだった
/1592ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3002人が本棚に入れています
本棚に追加