夏本番

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最後の背番号2つが一年生の江口と長山に渡る 背番号を全て渡し終えたところで、武田監督が改めてみんなを見回して口を開く 「いま、背番号を渡されたみんなは、背番号をもらえなかった人の分まで頑張ってくれ。宮崎、高木、内田… 3人にとっては最後の大会だが… すまない…」 武田監督が三年生でベンチに入れなかった、宮崎、高木、内田の3人に向かってそう言う すると、3人は明るい表情で口を開く 「勝つためですから」 「精一杯応援させてもらいます」 「この内田様の活躍が全国の人に見てもらえないのが残念で… わぁ!? まだ言いたい事が~!」 うるさくなりそうな内田を二年生が全員で止める その様子を見て武田監督は小さく笑う 「残った一年生のみんなも、次回背番号をもらえるように頑張ってくれ。今回は応援をしっかり頼むぞ」 『はい!』 一年生の返事を聞いて武田監督は頷き、再びみんなに視線を戻す 「今回の大会は選抜ベスト8として臨む大会だ… 一瞬の油断が命取りになり、即敗北に繋がる… 三年生はもちろん、一・二年生も一戦一戦とにかく集中してもらいたい。目指すは頂点だ。いいか?」 『はい!』 選手達の返事を聞いて武田監督は満足そうな顔をする 「その意気だ。大会も近い… 体調管理はしっかりするように。以上!」 『ありがとうございました!』 全員が挨拶をすると武田監督は部室を出て行く 武田監督が出て行くと、炎迅達は宮崎達3人に声をかける 「なんか… 悪い気分だな…」 多田がそう呟くと宮崎がベシッと頭を叩く 「何言ってやがる。オレの分までお前が頑張るんだよ」 「そうだ! この内田様の華麗なプレーを見せられないのが非常に残念だ!」 「内田、お前は黙らんかい」 大江がそう言うと、内田がまた騒ぎ出しそうになったので、二年生が全員で止める 二・三年生がそんなやりとりをしている頃、一年生達はベンチ入りに選ばれた2人を祝福していた 「やったじゃないか江口に長山」 「オレ達の分まで活躍しろよ」 「先輩達の足だけは引っ張るなよ」 みんなからそう声をかけられて、江口と長山は思わず苦笑いを浮かべるのだった
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