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「先輩達の足を引っ張らないようにするのはもちろんだが…」
「上にいけばいくほど、星海高校みたいなのがゴロゴロ出てくるんだぜ… 正直オレ達が活躍できるか…」
長山と江口がそう言うと、その背中を宮崎達がバシッと叩く
「何気弱になってんだよ。監督はお前ら２人を選んだんだ。もっと自信を持てって」
「そうだぞ。この内田様に変わって選ばれてるんだから… わっ!? こらお前ら～！」
宮崎の後ろから現れた内田がそう言いかけると、また二年生が全員で内田を静かにさせる
「……ま、そう言う事だ。オレ達の事は気にしなくていい。出番が来たら自分の力を信じて全力プレーだ。以上、元代打の切り札宮崎からでした」
宮崎が笑顔でそう声をかけるが、その表情には少し悔しさと悲しさが見え隠れしていたのだった
翔南高校で背番号の配布が行われていた頃、北浜高校では抽選会の結果についてミーティングが行われていた
「え～… 翔南とは決勝まで当たんねぇの？」
「あっちの番号のほうがよかったんじゃないか？」
「準決勝で星海とじゃん!?」
対戦表を見て様々な事を言う選手達を、橋詰監督は苦笑いで見ていた
(オレが余計な事吹き込んだからかもしれないが、翔南高校と対戦する事しか頭にないなコイツら…)
橋詰監督はそう思いながら立ち上がり、選手達の前に立って手を叩く
「よ～し、対戦表はここに貼っておくから、今はオレの話を聞いてくれ」
橋詰監督がそう言うと選手達は珍しくピタリと静かになる
それを少々不気味に思いながらも橋詰監督は口を開く
「よく聞け。決勝や準決勝のほうに目がいってるようだが、我々はシードでも何でもない無名校だ。まずは一回戦を勝つことだ。いいか？」
『は～い』
選手達のぬるい返事に橋詰監督は小さくため息をつく
「おまえ等な… 気を抜いてるとあっという間に負けちまうぞ。お前たちは実力はあるんだ。ポロッと負けるとは思ってないが…」
橋詰監督がそう言うとキャプテンの坂本が立ち上がる
「監督にそう思ってもらっているなら大丈夫です。必ず、監督の期待以上の成果を出してみせますよ」
坂本がそう言うと他の部員達も揃ってニッと笑う
それを見て橋詰監督は思わず苦笑いを浮かべる
(たいしたヤツらだよ本当に… いつかは甲子園も夢ではないのかもしれないな…)
橋詰監督はまたギャーギャー騒ぎ出した選手達を見ながらそんな事を思うのだった
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