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「か、監督ですか?」
「ああそうだよ。若いからってナメたらダメだよ」
監督はニコニコしながら四人に言った
「集まってるのはこれだけかい?」
監督は唐突な質問をしてきた
「はい…、すいません…。 まだこれしか…」
炎迅がしょんぼり答えるのを見た監督は、
「お前が謝ることはない、しょんぼりするな。こんなことは人生にいくらでもある、元気だせ」
単純な炎迅、拓郎、大江は監督の言葉に妙に元気が出てきたが、頭のいい稲垣は難しい顔をしていた
このあと監督の提案で、今日のところはキャッチボールをすることになった
グラウンドの隅の教室位のスペースで、炎迅と稲垣、拓郎と大江でキャッチボールをする
監督はニコニコしながらこちらを見ている
「うひょ~! 拓郎おまえ肩強いの~」
大江が驚きの声をあげてボールをとっていた
拓郎はどんどん大江との距離をひろげていた
大江は普通に投げては届かないので遠投みたいになっている
「お~い、そんな遠くに行かなくていいぞ~」
監督が拓郎に呼び掛ける
「すいません!」
拓郎が走ってこちらに戻ってくると大江がすぐに話かける
「凄いわ~、めっちゃ肩強いやん」
大江が感心しながら拓郎を誉めると
「そんなことないよ、普通だよ普通」
拓郎は照れながら言う
(佐藤は強肩か。外野手か捕手にはもってこいだな)
そう心の中で呟く監督は炎迅と稲垣に目を向けた
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